当サイトを最適な状態で閲覧していただくにはブラウザのJavaScriptを有効にしてご利用下さい。
JavaScriptを無効のままご覧いただいた場合には一部機能がご利用頂けない場合や正しい情報を取得できない場合がございます。

促成トマト_栽培管理ポイント_3段開花から収穫開始まで

トマト

3段開花から収穫開始までは、茎葉や花の成長に加えて、果実の成長が本格的に始まり、水とともに肥料の要求量が増加する時期です。また、光合成が低下し樹勢が低下しやすい厳寒期に備えて根張り・株つくりの重要な時期でもあります。"3段開花から収穫開始までの栽培管理のポイントと注意点" を、分かりやすくご紹介します。優良農家の方でも、見落としていることがあるかもしれません。収量を伸ばしたい方必見です。

1.温度管理

目安:昼温23-28度、夜温12~20度(夜温はできるだけ低く)
温度の調整が可能な時期は、温度管理により樹勢や栄養成長と生殖成長のバランスを調整することをお勧めします。
樹勢を弱めたい場合はハウス内温度を高めに、生殖成長に傾けたい場合は昼夜の温度較差を広げる。
栄養成長に傾きやすいこの時期は、昼夜の温度較差を大きくするため、昼温を高めに、夜温を低めに設定。
例)昼温:25度→26~28度、夜温:18度→16度(高温期は夜温の調整が困難ですが)

2.摘果

ハウス促成栽培では、長期にわたり樹勢、栄養成長と生殖成長のバランスを保つとともに、安定した着果数を維持することが多収の必要条件です。そのためには摘果が重要。
 着果量が多ければ、樹勢低下→小玉果・空洞果
 着果量が少なければ、樹勢過多・栄養成長過多→乱形果
大玉トマトの1果房当りの着果数の目安は3~5個ですが、樹勢や品種により調整することが重要です。

3.灌水管理

3段開花(1段目の果実が肥大開始)を目安に灌水を始め、樹勢を確認しながら、徐々に潅水量を増やします。
具体的に灌水ポイントを要チェック。

  • まずは少量多灌水が基本です。土を固めず団粒構造を崩さないで、全ての株元へ均一に灌水できる点滴灌水チューブが理想的です。
  • 土壌が乾燥気味の場合は、樹勢低下、果実の肥大低下を、更に乾燥の場合は、萎れ、チップバーン(葉先枯れ)、ガク焼け、尻腐れ、芯腐れなどの生理障害を招きますが、逆に糖度や食味は上昇します。
  • 一方土壌が過湿気味の場合は、栄養成長に傾くとともに樹勢が強くなり、乱形果や異常茎を招きます。また、根と微生物が呼吸できずに、上根になってしまい根を深くまで張らせる事が出来ません。毛細根の量も著しく低下します。
  • 天候や土壌水分、生育状況に応じた灌水量とタイミングで適切に調整するためには、テンションメーター(土壌水分計)の活用が効果的です。土壌水分を見える化(数値化:pF値)します。標準的な糖度のトマトのpF値の目安は1.7~2.1です。数値が大きいほど乾燥を示し、数値が小さいほど過湿となります。例:pF2.1以上の場合は灌水量を増やし、pF1.7以下の場合は灌水量を減らします。

    写真1  点滴灌水チューブ(T-TAPEスペシャル508-10)

4.肥培管理

茎葉や花の成長に加えて、果実の成長が本格的に始まるこの時期は、必要とする肥料成分が増加するだけでなく、肥料バランスも大きく変化します。植物分析に基づく肥培管理が鍵です。PsEco植物分析では、トマトが必要とするチッソ・リンサン・カリ・カルシウム・マグネシウムから微量要素に至るまで適正に吸収できているか分析し、また、吸収できていなければその原因を解明して最適な追肥・葉面散布のメニューを提案します。

  • 灌水と同様「少量多施肥」が重要。できるだけ灌水の度に薄めの液肥を追肥して下さい。肥料の吸収効率が良くなるだけでなく、糖度や食味が安定します。
  • 外気温や地温、日射量の低下に加えて、着果負担により根張りが低下し始めます。肥料成分の追肥だけでなく、発根を促進するための海藻エキス、酵素、微生物資材の追肥が必要です。
  • 根からの肥料吸収が困難になる時期です。葉水の上りが少ない状態は、根の活力が低下しているサインです。そんな時は、葉面散布が即効で効果を発揮します。

活着後から3段開花期までの肥培管理では、①発根促進②栄養成長抑制③カルシウム・微量要素の欠乏対策が課題でしたが、3段開花以降は更に**④理想的な葉づくり、⑤株づくり⑥果実肥大促進が重要になります。

①発根促進のための追肥と葉面散布

団粒構造と保肥力改善に働く事で知られている団粒構造と保肥力改善に働く事で知られている腐植酸は、実は土壌微生物の活性化にも非常に効果的です!有機物の分解や団粒構造の形成、肥料の分解や作物の養水分吸収の促進、土壌病害の抑制と根の保護、土づくりと作物の生育には微生物が大きく関係しています。肥培管理と併せて、微生物資材および微生物を活性化させる資材の活用が必須です

②栄養成長抑制のための追肥と葉面散布

吸収効率の高い亜リン酸とリン酸の代謝を促進してくれる酵素の相乗効果で生殖成長型の草姿!

③カルシウム・微量要素の欠乏対策のための追肥と葉面散布
-キレートカルシウムによる、茎葉強化(例)PSカル

カルシウムやホウソが不足すると尻腐れ・芯腐れ・葉先枯れ・ガク焼けなどの欠乏症状が発生することは知られていますが、実は病気に対する免疫力・果実の日持ち、更には食味にも影響します

写真2 尻腐れ

④理想的な葉づくりための追肥と葉面散布

  • マグネシウムと微量要素による葉色改善と花質の改善(例)微量要素の宝船
    働く葉づくりには、光合成を行う葉緑体の構成成分であるマグネシウムと、葉のまだら症状の予防と改善に働く多種でバランスが取れた微量要素がポイント!

    写真3 葉のまだら症状

⑤株づくりのための追肥

  • トマト専用液肥(チッソ・リンサン・カリ・マグネシウム・微量要素)による株づくり(例)PSアイミックス2号
  • 有機ミネラル液肥(アミノ酸・チッソ・リンサン・カリ・マグネシウム・微量要素)による株づくり(例)PSパワーアミノ2号

健全な株づくりには、アミノ酸・微量要素による有効微生物の活性化がポイント!

⑥果実肥大促進と登熟促進のための追肥と葉面散布

5.3段開花から収穫開始までの病害虫対策のポイント

5.1 病気

とにかく!早期予防・早期防除で、多発・まん延させない事が重要です。後手にまわってしまい、多発・まん延してからでは防除は困難です。さらに!薬剤抵抗性にも注意したローテーション散布が必要です。

葉かび病

<症状や発生要因>

  • 葉の表面に淡黄色の小斑点が発生、その裏面には緑褐色のビロード状のかびを密生する
  • 症状が進行すると光合成が低下し、減収
  • 多湿条件で発生しやすい
  • 軟弱徒長で発生しやすいが、肥料不足や樹勢低下時も発生しやすい
  • 菌の生育適温20~25℃前後

<対策>

  1. RACコードを活用したローテーション散布による予防
     例) ベルクートフロアブル(RACコードF:M7) →ラリー乳剤(RACコードF:12)→パレード20フロアブル(RACコードF:7)
  2. 多湿条件で発生しやすいため、換気・早朝加温・マルチなどにより適正な湿度を維持
  3. 過繁茂にならないように、密植を避け、適宜葉かきを行なう
  4. かびが発生源となるため、被害部位は速やかにビニール袋等で密閉して処分する
  5. 抵抗性品種の導入
  6. 追肥や葉面散布による免疫力強化と茎葉強化が鍵!
    茎葉強化の資材 PSセルパワーアップPSカル 
    免疫力強化のための微生物 PSコレイーネPSバイオギフトLIQ 
    免疫力強化のための酵素 アーキア酵素むげん

    写真4 葉かび病

灰色かび病

<症状や発生要因>

  • 葉、花、果実、茎に灰色のかびが発生する
  • 傷口や枯死した部分から発生しやすい→ 葉先枯れは要注意
  • 花弁にかびが密生し、花落ち部から果実に広がる場合が多い
  • 果実に発生した場合は腐敗する、果実に白い病斑(ゴーストスポット)が発生することもある
  • 多湿条件で発生しやすい
  • チッソ過剰や軟弱徒長で発生しやすい
  • 菌の生育適温20℃前後

<対策>

  1. RACコードを活用したローテーション散布による予防
     例) ベルクートフロアブル(RACコードF:M7) →セイビアーフロアブル20(RACコードF:12)→パレード20フロアブル(RACコードF:7)
  2. 多湿条件で発生しやすいため、換気・早朝加温・マルチなどにより適正な湿度を維持
  3. 過繁茂にならないように、密植を避け、適宜葉かきを行なう
  4. かびが発生源となるため、被害部位は速やかにビニール袋等で密閉して処分する
  5. 花落ちの悪い品種の場合は、受粉後花弁を摘み取る方法が有効
  6. チッソ過剰や軟弱徒長により発生しやすくなるため、追肥や葉面散布による免疫力強化と茎葉強化が鍵!
    茎葉強化の資材 PSセルパワーアップPSカル 
    免疫力強化のための微生物 PSコレイーネPSバイオギフトLIQ 
    免疫力強化のための酵素 アーキア酵素むげん

写真5  灰色かび病

うどんこ病

<症状や発生要因>

  • 葉の表面にうどんこ状の白いかびが発生し、その後葉が黄化する
  • 多発した場合は、下葉から枯れ減収する
  • 乾燥条件で発生しやすい
  • チッソ過剰や軟弱徒長で発生しやすい
  • 菌の生育適温20~25℃前後、秋と春に発生が多い

<対策>

  1. RACコードを活用したローテーション散布による予防
     例)アフェットフロアブル(RACコードF:7)→ダコニール1000(RACコードF:M5)→トリフミン乳剤(RACコードF:3)→ ベルクートフロアブル(RACコードF:M7)
  2. 乾燥条件で発生しやすいため、過乾燥に注意
  3. 過繁茂にならないように、密植を避け、適宜葉かきを行なう
  4. かびが発生源となるため、被害部位は速やかにビニール袋等で密閉して処分する
  5. チッソ過剰や軟弱徒長により発生しやすくなるため、追肥や葉面散布による免疫力強化と茎葉強化が鍵!
    茎葉強化の資材 PSセルパワーアップPSカル 
    免疫力強化のための微生物 PSコレイーネPSバイオギフトLIQ 
    免疫力強化のための酵素 アーキア酵素むげん


写真6 うどんこ病

3.2 害虫

タバココナジラミが媒介するトマト黄化葉巻ウイルスが各地で問題になっています。ウイルス病は感染してしまうと治療方法がありません。いかにタバココナジラミを叩くかが鍵です。定植後の生育初期に感染することが多いので、定植時からの防除が重要です。さらに!薬剤抵抗性にも注意したローテーション散布が必要です。

コナジラミ

<症状や発生要因>

  • オンシツコナジラミとタバココナジラミの2種、どちらも成虫の体長は1.0~2.0mm程度
  • 幼虫、成虫が葉裏に寄生し吸汁し、その部分が白色に変色
  • 幼虫、成虫が排泄する甘露が付着した部分に黒いかびが発生
  • タバココナジラミの場合、果実に着色ムラが発生することがある
  • タバココナジラミはトマト黄化葉巻ウイルスを媒介する
  • オンシツコナジラミはトマト黄化ウイルスを媒介する

<対策>

  1. 定植時の殺虫剤の畝穴土壌混和処理や灌注処理
    例)アルバリン粒剤(RACコードI:4A)
    ベストガード粒剤(RACコードI:4A)
    ベリマークSC(RACコードI:28)
  2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
    例)アニキ乳剤(RACコードI:6)→
    コルト顆粒水和剤(RACコードI:9B)→
    ディアナSC(RACコードI:5)→
    トランスフォームフロアブル RACコードI:28)
    抵抗性が発達しにくい気門封鎖型の農薬もお勧めです。
    サフオイル乳剤(RACコードI:未)
  3. ハウスでは、天窓やサイドなどの換気部に防虫ネットを張って、外からの侵入を防止する
  4. 白色マルチなど反射資材をハウスの周辺部に設置して、外からの侵入を防止する
  5. 黄色粘着板や粘着ロールを設置して、発生の確認と捕殺
  6. 発病株は伝染源となるため、速やかにビニール袋等で密閉して処分する
  7. ハウス周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)

アザミウマ

<症状や発生要因>

  • ミカンキイロアザミウマとヒラズハナアザミウマの2種、どちらも成虫の体長は1.0~1.7mm程度
  • 幼虫、成虫が葉に寄生し吸汁し、その部分が白色・褐色に変色
  • 開花時に子房に産卵した場合、果実に産卵跡が白ぶくれ症状として残る
  • トマト黄化えそウイルスを媒介する

<対策>

  1. 定植時の殺虫剤の畝穴土壌混和処理や灌注処理
    例)プリロッソ粒剤(RACコードI:28)
    ベリマークSC(RACコードI:28)
  2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
    例)スピノエース顆粒水和剤(RACコードⅠ:5)→マッチ乳剤(RACコードⅠ:15)→
    ディアナSC(RACコードⅠ:5)→
    ベネビアOD(RACコードⅠ:28)
  3. ハウスでは、天窓やサイドなどの換気部に防虫ネットを張って、外からの侵入を防止する
  4. 白色マルチなど反射資材をハウスの周辺部に設置して、外からの侵入を防止する
  5. ハウス周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)

ハスモンヨトウ

<症状や発生要因>

  • 蛾の仲間、幼虫の体長は5~40mm程度
  • 幼虫が葉、蕾、果実を食害する
  • ふ化幼虫は集団で食害するため、葉を食い尽くされることもある
  • 老齢幼虫になると、果実を食害する
  • 初夏から秋にかけて発生が多い

<対策>
1.齢期が進むと農薬の効果が低下するため、 若齢期にうちに防除することが重要
2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
例)アタブロン乳剤(RACコードⅠ:15)→フェニックス顆粒水和剤(RACコードⅠ:28)→ディアナSC(RACコードⅠ:5)
3. ハウスでは、天窓やサイドなどの換気部に防虫ネットを張って、外からの侵入を防止する
4. 黄色灯(防蛾灯)も効果あり
5. ハウス周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)

オオタバコガ

<症状や発生要因>

  • 蛾の仲間、幼虫の体長は10~40mm程度
  • 幼虫が果実や茎の内部を食害する
  • 初夏から秋にかけて発生が多い

<対策>
1.果実に侵入する前の 若齢期にうちに防除することが重要
2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
例)アタブロン乳剤(RACコードⅠ:15)→フェニックス顆粒水和剤(RACコードⅠ:28)→スピノエース顆粒水和剤(RACコードⅠ:5)→アニキ乳剤(RACコードⅠ:6)
3. ハウスでは、天窓やサイドなどの換気部に防虫ネットを張って、外からの侵入を防止する
4. 黄色灯(防蛾灯)も効果あり
5. ハウス周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)

トマト及びミニトマトの防除はマルハナバチや天敵への影響を考慮して行うことが重要です。農薬の使用については、各都道府県(病虫害防除所)の指導をご確認下さい。
上記の使用例では、トマトとミニトマトの両方に登録された農薬を記載しています。

"3段開花から収穫開始までの栽培管理ポイントと注意点" については以上です。

トマト

関連商品

PSマリンパワー

海藻エキスが、「根」と「葉」本来の働きを引き出す!作物は、様々なダメージと戦い疲れている。:高温干ばつ・低温・日照不足・多雨・連作土壌・成り疲れ生育の土台である「根」と光合成を行う「葉」の働きを高める、収量・品質アップの限界へ挑戦し続けるために!うれしいお徳用サイズ10L、20Lも!

27,533 (税込) / 5 L

PSダッシュMEネオ

リン酸の利用効率をついに改善した「亜リン酸」に、カリと微量要素を配合。だから、葉面散布でもかん水でも「吸収」と「転流」が即効的!そして、驚きの免疫力アップ効果!うれしいお徳用サイズ10L、20Lも!

22,385 (税込) / 5 L

アーキア酵素むげん

どんな肥料や土壌改良材でも、効果を倍化させるアクセレレーター!土壌改良!発根促進!光合成促進!免疫強化!食味向上!古細菌由来だから地温・pHが高くても、低くても ながーく効く。いつも手元に置いておきたい逸品!

28,259 (税込) / 10 L

微量要素の宝船

チッソ・リンサン・カリだけでは時代遅れ!これからは多種でバランスが取れた微量要素が主役!長年のデータから最大公約数的に考えられたマグネシウム+重要微量要素で構成された商品いわばオールラウンドプレイヤー(本当のプロ農家は土壌分析・植物分析から始めましょう!)

22,176 (税込) / 5 kg

PSアイミックス2号

粉状で極端に水に溶けやすくコスパと即効性が最高!リンサン過剰土壌ではこれしかない!イチゴ・トマトに特化したのは2号だけ。(キュウリは3号を使用)キレート効果の高い微量要素で旨み追求!10袋セットでさらにお得!

14,652 (税込) / 20 kg

PSパワーアミノ2号

基肥的存在の有機ミネラル液肥!3大栄養に加え、有効微生物の餌になる各種アミノ酸+微量要素群を配合!微生物を育て、土を育て、作物を育てます!「点滴チューブにも詰まらない」スグレモノ! 10缶セットでさらにお得!

10,868 (税込) / 20 kg

土壌・植物・水質分析について

「土作り」から「あなたの夢」まで寄り添います。
PsEcoは、その夢を実現するため、常に農家の皆様一人ひとりと繋がっています。

現場の様々な情報と分析結果を活用し、必要なものを必要な量だけ。高品質で高収量、無駄なコスト削除。
バイオロジカルでエコロジカル、さらに持続可能な農地環境の創造をご提案いたします。
分析料金は、各分析(土壌・植物・水質)1検体あたり11,000円(税込)です(別途、検体の発送料が必要です)。

分析を注文する
>