「萎黄病」「炭疽病」「疫病」に悩むイチゴ農家さん必読!
「萎黄病」「炭疽病」と「疫病」は、イチゴ栽培でよく発生する土壌伝染性の病気です。これらは株を枯らすだけでなく、圃場全体に一気に伝染する病気であり、一度蔓延してしまうと殲滅(せんめつ:皆殺し)は非常に困難です。土壌中に病原菌が残れば、次作にまで甚大な被害をもたらします!
以下のいずれの対策が欠けてもダメ!
本記事では「本圃の土壌消毒」について、長年イチゴ栽培を行ってきた農家でも見落としがちな「重要なポイント」をご説明します。
イチゴ農家の間でよく知られている本圃の土壌消毒方法「クロピクフロー」と「土壌還元消毒」に加えて、我々PsEcoがお奨めする「畝立て後の太陽熱消毒」についてポイントをまとめています。
当然ながら、本圃をきれいに消毒しても、育苗時期の苗に病気が発生していれば意味がありません。別ページの「イチゴ_親株育成期&育苗期の「萎黄病」「炭疽病」「疫病」対策」にて重要な点を分かりやすく説明しています。
本記事でご紹介する3つの土壌消毒法
クロピクフロー
*メリット
・化学農薬による高い消毒効果
・効果が天候に左右されにくい
・短期間で実施可能
*注意点
・点滴灌水チューブによる均一施用が重要
・畝立て後に消毒を実施すること
・初期樹勢が強くなる傾向があるので基肥のチッソ減量が必要
土壌還元消毒
*メリット
・コスト中程度
・薬剤残留や病虫害の薬剤耐性に関する心配が無用
*注意点
・還元資材(米ぬか、ふすま)に肥料成分が含まれるため基肥のチッソ減量が必要
・土壌水分を維持する事が重要
・畝立て前に実施するので土壌の再汚染リスクあり
・病気が発生する密集地域ではお奨めできない
お奨め!「畝立て後の」太陽熱消毒
*メリット
・低コスト
・薬剤残留や病害虫の薬剤耐性に関する心配が無用
*注意点
・地温確保に注意
・効果は天候に左右される
・畝立て後に消毒を実施すること
・初期樹勢が強くなる傾向があるので基肥のチッソ減量が必要
クロピクフローは、潅水チューブを用いて畝立て後に消毒を行える総合土壌くん蒸剤(液剤)です。
適用病害虫名:萎黄病、ネグサレセンチュウ、ネコブセンチュウ
堆肥や基肥を散布してから、全体を耕転し畝を立てる。
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点滴灌水チューブを畝の上に設置し、土壌表面をビニールやポリで隙間がないようにしっかり被覆する。
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液肥混入器を使ってクロピクフローを投薬する。
クロピクフローによる土壌消毒は、施肥や畝立て作業後に実施する点が最大のポイントです。クロピクフローの出現により畝立て後の土壌消毒が可能になりました!
写真1 散水チューブによる灌水ムラ
写真2 点滴灌水チューブの均一灌水
クロピクフローによる消毒は、施肥と畝立て後に実施するため、有機肥料や化学肥料の効果発現を早めます。(土壌中での分解が進むため)
その結果、生育初期に作物がチッソ過剰になりやすいことをご存じですか?チッソ過剰は、頂果房に先青果、先白果、着色不良、チップバーン(葉先枯れ)、乱形果、不受精等を発生させるリスクを高めます。
つまり、基肥で投入する窒素成分をある程度に減らす施肥設計を組む必要があります。そして前作から残存するチッソ量も考慮しなければなりません。PsEco土壌分析をチェックして下さい。
土壌還元消毒は、有機物を分解する土壌微生物の活動(呼吸など)により、次第に土壌中を酸欠(還元)状態にして、土壌病原菌を死滅させる方法です。
1t/反の米ぬか又はふすまを均一に散布し、土壌に混和する。
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灌水チューブを設置して透明なビニールを空気が入らないよう隙間がないように全面被覆する。
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ハウスは約3週間密閉し地温30度以上を維持。湛水により土壌水分を飽和状態(足が沈むくらいが目安)に維持すると、土壌中が酸欠(還元)状態に!
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その後、基肥施肥と畝立てを行う。
土壌還元消毒は、消毒後に基肥施肥と畝立てを行います。消毒後の土壌が再汚染されるリスクが高いと言えます。
長年、土壌還元消毒で成功していても、近隣で土壌病害が発生してしまうと、感染リスクが生じます。
太陽熱消毒は、昔からある消毒方法です。しかし畝立て後の太陽熱消毒は実践している農家はまだ多くはありませんが、実に有効な手段です!
堆肥や基肥を散布してから、全体を耕転し畝を立てる。
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ハウスを密閉、土壌表面をビニールやポリで隙間がないようにしっかりと被覆する。その際、ハウスの端のビニールは地中に埋める。
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下部までしっかりと地温の上昇を促すために、早朝に(点滴)灌水チューブで少量灌水を実施する。土壌が乾燥状態だと地温が上昇しづらい!
「7日間以上は日中45℃以上(地表下30cm)」を保つこと!地温が最重要ポイント
地温を高める為には、以下の3点が重要です!
優良イチゴ農家さんから、本当は教えたくないワンポイント
「とちおとめ」で有名な栃木県の優良農家は、畝立て後の太陽熱消毒に更にひと手間を加えています。それは、クロルピクリン錠剤の合わせ技です。
ハウスのサイド(ハウス内の両端の畝)は地温が上がりにくいことや、ハウスサイド側からの雨水の侵入の影響から、生育期間中に病気が出やすい傾向にあります。
その為、畝立て後の太陽熱消毒と併せて、ハウス内の両端の畝への局所施用が可能なクロルピクリン錠剤をハウスのサイドの畝に施用する方法を実践し、ひそかに問題を克服しています。
病原菌繁殖を防ぎ、同時にイチゴの成長にとって好適な土壌環境を作るには、消毒後に速やかに多様な有用菌を増殖させることです!
PsEcoショップで、土壌消毒後、速やかに点滴灌水チューブで施用できる有用菌が購入できます。
例:「PSコレイーネ」、「PSバイオギフトLIQ」
最大のポイント!土壌中の有用菌の多様な生態系をつくる!
土壌消毒は、土壌窒素量など土壌養分を確実に変化させます。一流の農家さんは経験的に基肥由来の窒素施肥量をうまく調整している方もいますが、それでもチップバーン(葉先枯れ)や乱形果などの窒素過剰による障害に直面する事があります。どんな農家でも適切な基肥を施肥するためには、土壌分析を実施する以外方法はありません。
土壌中に肥料成分が過剰に蓄積していると、土壌中の有用菌が働けなくなります。土壌分析に基づかない施肥は、負の連鎖を招くリスクが高いです。
さらにバイオロジカルな農業を目指す方のために!
上記の点滴灌水チューブを通じて流す方法に加えて、
1反当たり、PSコレイーネ 0.4L、PSバイオギフトLIQ 0.2Lを水量約400Lで、農薬散布用の動噴を使用し消毒後の土壌表面に散布し、有用菌を全面に行き渡らせます。(PsEcoショップにてポイントを説明しています)
増殖が速い有効微生物で土壌環境や地上部の微生物環境を支配して、悪玉微生物にスキを与えない!農薬が効かなくなったと思った時、PSコレイーネと農薬を混用した場合、効果があった事例が多い!(ほとんどの農薬と混用可能)
病原菌が一番嫌いなタイプの糸状菌!液状タイプで使いやすい!ほとんどの農薬とも混用可能!厳しい環境下でも効果的な細菌タイプ(例:PSコレイーネ)と、繁殖力旺盛な糸状菌タイプのPSバイオギフトの併用がオススメ!
基肥的存在の有機ミネラル液肥!3大栄養に加え、有効微生物の餌になる各種アミノ酸+微量要素群を配合!微生物を育て、土を育て、作物を育てます!「点滴チューブにも詰まらない」スグレモノ! 10缶セットでさらにお得!
「土作り」から「あなたの夢」まで寄り添います。
PsEcoは、その夢を実現するため、常に農家の皆様一人ひとりと繋がっています。
現場の様々な情報と分析結果を活用し、必要なものを必要な量だけ。高品質で高収量、無駄なコスト削除。
バイオロジカルでエコロジカル、さらに持続可能な農地環境の創造をご提案いたします。
分析料金は、各分析(土壌・植物・水質)1検体あたり11,000円(税込)です(別途、検体の発送料が必要です)。