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スイートコーン_栽培管理_播種から収穫まで

スイートコーン


直売所でも大人気のスイートコーン。露地でも栽培でき、栽培管理も比較的容易な野菜ですが、高収量・高品質を目指すには栽培管理がやはり重要!本記事では、スイートコーンの播種から収穫までのポイントは分かりやすくご紹介します。

1.温度管理(換気)

生育の最適温度は25℃ 最低10℃ 最高30度です。

  • トンネル栽培やハウス栽培で換気不足の場合、軟弱徒長な株になったり、35°C以上の高温の場合は先端不稔などの高温障害が発生しますので、その日の天気に応じて、裾上げ換気(トンネル側面の開閉)を行って下さい。
  • 保温効果は劣りますが換気作業が不要な穴開きのトンネルもあります。
  • 基本的には株の先端がトンネルの高さまで成長したらトンネルを取り除きますが、遅霜の恐れがある場合は遅らせます。

遅霜対策
①事前対策
保温対策が基本ですが、軟弱徒長させないことも重要です。換気を行うと同時に葉面散布が効果的です。

  • 亜リン酸+カリ+微量要素による、徒長防止(例)PSダッシュMEネオ
    さらに、霜害が予想される場合は細胞を防御するトレハロースの葉面散布で霜害を軽減!
  • トレハロース+リン酸・カリ+微量要素 例:アルバトロス

②事後対策
霜害からのいち早い回復に、発根促進と栄養分補給のための葉面散布が有効!


写真1 トンネル(裾上げ換気)

写真2 トンネル(穴開きタイプ)

写真3 霜害

2.間引き

  • 本葉4~5葉期に標準的な生育の株を1株残し、残りの株をナイフやハサミで株下から切り取ります。
  • 抜き取りは厳禁!残す株の根を傷めます。
  • マルチ栽培の場合は通常間引き時にマルチを剥がします。


写真4 間引き

3.追肥・葉面散布

本葉6~7葉期には幼穂が形成されますのでその前の本葉4~5葉期実の肥大が始まる前の出穂期の追肥が重要になります。

  • 一般的な追肥量は以下の通りですが、土壌中の肥料の多寡はもちろんのこと、その年の天候によっても肥料の吸収は大きく変化しますので、植物分析に基づく肥培管理が鍵です。

  • PsEco植物分析では、スイートコーンが必要とするチッソ・リンサン・カリ・カルシウム・マグネシウムから微量要素に至るまで適正に吸収できているか分析し、また、吸収できていなければその原因を解明して最適な追肥・葉面散布のメニューを提案します。

  • 追肥の標準施肥量(反当り)
     追肥:チッソ3~5kg、カリ3~5kg
     追肥は畝間または肩部に散布

低温・高温・強風・日照不足・土壌の過湿や乾燥など、スイートコーンは様々なストレスを受けます。そのため、追肥だけでなく、発根を促進する資材や光合成を促進するための資材の葉面散布が高収量・高品質のカギになります。
葉面散布は即効で効果を発揮しますが、追肥のように長期にわたる効果は期待できませんので、週1回の頻度で継続することが理想です。

  • 海藻エキスによる、発根と光合成の促進(例)PSマリンパワー
  • 亜リン酸+カリ+微量要素による、実の肥大促進と登熟促進(例)PSダッシュMEネオ
  • トレハロース+リン酸・カリ+微量要果による食味向上 例:アルバトロス


写真5 出穂期(2回目の追肥適期)

4.灌水

  • 土壌の乾燥は早期出穂、実の肥大低下、先端不稔、オニオンリーフなど収量・品質低下の原因となります。特に、幼穂形成期の本葉6~7葉期の以降水分の要求量が多くなりますので、灌水がより重要になります。
  • 畝間灌水や灌水設備による灌水が理想的ですが、そのような設備が無い圃場でも、極端な乾燥など状況によっては、農薬散布用タンクと動力噴霧器などを活用して灌水することをオススメします。

ワンポイントアドバイス
水分の吸収を改善するためには、根張り改善のための葉面散布がポイント!

  • 海藻エキスによる、発根と光合成の促進(例)PSマリンパワー

  • オニオンリーフとは
    オニオンリーフとは、トウモロコシの生理障害の1つで高温と乾燥により発生します。
    写真6の通り、水分の蒸散を抑えるために葉が筒状に巻いた状態になり、手で葉を剥いてやらなければ、葉が展開できなくなります。


写真6 オニオンリーフ

5.無除げつ

  • 通常分げつが2本前後発生しますが、分げつ(わき芽)は取り除かず残します。
  • 分げつを残す理由
    分げつの養分が本体に転流し、実がより充実する
    根張りが良くなり、倒伏に強くなる
    開花時期がずれて花粉を放出するので交配補助が期待できる。

    写真7 無除げつ

6.除房

  • 通常、雌穂(房)は2個以上発生しますが、上から2番目の雌穂は取り除き、1番上の雌穂だけ残します。
  • 除房する理由
     養分が1房に集中するために、サイズが大きくなり、先端稔実も良くなる
  • 注意!絹糸が出始めた頃に捻じる様に取り除くことがコツです。葉を傷つけてしまうとかえって逆効果です。

    写真8 除房

7.トッピング

  • トッピングとは交配(受粉)が完了した後、鎌などで雄穂全体を切り落とす作業のことです。倒伏防止の効果が期待できる同時に、雄穂を好むアワノメイガの対策としても有効です。
  • 但し、斜めに切断すると切り口が鋭角になり、収穫時にけがの恐れがあるため、できるだけ水平に切断して下さい。

8. 収穫

  • 手塩にかけて育ててきたスイートコーン。最高に美味しい実を収獲するカギは適期収獲!
  • 収獲適期のポイント
    ① 雄花が50%開花した日から20日後より登熟具合を確認開始
    ②収獲適期4~6日前:全体の着色が薄く、糖度がまだ乗らない
    ③収獲開始:先端付近がやや膨らみを帯びて、みずみずしいレモン色
    ④収獲適期:最高の食味
    ⑤収穫適期2日遅れ:先端付近まで濃黄色になり、粒が押し合い粒皮も硬くなり始める
    ⑥収穫適期4日遅れ:粒列が乱れ可食部へシナビが入り始めている
    注:登熟の早さは気象や土壌条件によって毎年異なりますので、上記の日数はあくまで目安として下さい。


写真9 収獲適期前後の実の写真

9. 病害虫対策

9.1病気

早期予防・早期防除で多発・まん延させない事が重要です。後手にまわってしまい、多発・まん延してからでは防除は困難です。さらに!薬剤抵抗性にも注意したローテーション散布が重要です。

紋枯病
<症状や発生要因>

  • 茎の地際部から発生、その後上部に広がり実にも症状が広がる
  • 多湿条件で発生しやすい
  • チッソ過剰や軟弱徒長で発生しやすい
  • 菌の生育適温30℃前後

<対策>

  1. RACコードを活用したローテーション散布による予防
     例) モンガリット粒剤(RACコードF:7 )→[リゾ レックス水和剤](https://www.pseco.co.jp/shop/product/148201)(RACコードF:14)
  2. 多湿条件で発生しやすいため、多肥・密植は避ける
  3. 明渠など排水対策を徹底する
  4. 前年度発生した圃場では発病の可能性が高いため、防除を徹底する

    写真10 紋枯病

9.2害虫

アワノメイガ・ヨトウムシ・オオタバコガの防除は雄穂抽出期からのローテーション散布がカギ!
害虫の多くは雑草に寄生します。ほ場内はもとより、周辺も除草しましょう。

アブラムシ

<症状や発生要因>

  • 体長は0.5~3mm
  • 成虫、幼虫が葉や茎を吸汁し、大量発生した場合は生育も低下する
  • 排泄物にカビが発生してすす病を発病することもある
  • モザイク病などのウイルスを媒介するた
  • 春から秋まで複数回発生する。ムギ類やイネ科雑草などから飛来する。

<対策>
1.発生初期に防除を開始することが重要
2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
例)コルト顆粒水和剤(RACコードI:9B)→ウララDF(RACコードI:29)→ダントツ水溶剤(RACコードI:4A)

アワノメイガ

<症状や発生要因>

  • 蛾の仲間、幼虫の体長は5~20mm
  • 穂に卵を産み、ふ化した幼虫はその後に茎内部や子実まで侵入して実を食害します。
  • 春から発生し、世代交代を繰り返し複数回発生

<対策>

  1. 茎や果実に潜り込んだ幼虫に対する効果は低いので、雄穂が見え始めたころから散布する
  2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
    例)ベネビアOD(RACコードⅠ:28)→カスケード乳剤(RACコードI:15)→トレボン乳剤(RACコードI:3A)
  3. 受粉後に雄穂が残っていると、そこから茎の内部に侵入することがあるので、受粉が終わったら雄穂
    を切り落とす

    写真11 アワノメイガの食害

ヨトウムシ

<症状や発生要因>

  • ヨトウガの幼虫、体長は20~40mm
  • ヨトウムシの1種アワヨトウの幼虫は主に葉を食害する
  • 葉の裏に卵を産卵する
  • 昼間は土の中にいて、夜活動する
  • 6月から幼虫が発生

<対策>

  1. 発生初期に防除を開始することが重要
  2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
    例)アニキ乳剤(RACコードⅠ:6)トレボン乳剤(RACコードI:3A)→ アファーム乳剤(RACコードⅠ:6)
  3. ハウス周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)

オオタバコガ

<症状や発生要因>

  • 蛾の仲間、幼虫の体長は20~40mm
  • 幼虫が葉や実および果実の先端にあるヒゲ部分を食害する
  • ふ化直後は柔らかい葉を食害するが、成長するにしたがって実や茎の内部なども食害する
  • 幼虫はチッソ過多の株を好む

<対策>
1.幼虫をみつけたら捕獲する
2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
例)アニキ乳剤(RACコードⅠ:6)→ベネビアOD(RACコードⅠ:28)→カスケード乳剤(RACコードI:15)

カメムシ

<症状や発生要因>

  • 実を吸汁、実が茶色に変色したり変形するため、商品価値を失う

<対策>
1.成虫をみつけたら捕獲する
2. RACコードを活用したローテーション散布による防除
例)アルバリン顆粒水溶剤(RACコードⅠ:4A)→スミチオン乳剤(RACコードI:1B) 
3. 周辺の雑草に寄生するため除草する(意外と怠りがち)


写真12 カメムシによる食害

農薬の使用については、各都道府県(病虫害防除所)の指導をご確認下さい。
上記の使用例では、未成熟トウモロコシ(スイートコーン)に登録された農薬を記載しています。ヤングコーンには使用できない農薬もありますのでご注意下さい。

"スイートコーン_栽培管理_播種から収穫まで" については以上です。

スイートコーン

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