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トマト_ソバージュ栽培とは

トマト

低コスト!省力化!高い収益性をめざす栽培方法(新しい儲かる農業!?)のソバージュ栽培は、2010年に秋田県横手市で誕生しました。露地設備投資小さく、できるだけ簡単手軽な管理作業で行うトマトの新しい栽培方法です。

1. ハウス栽培との違いは?

1.1 栽植密度

ソバージュ栽培の栽植密度は、10a当り500~600株です。
10a当り2,000株前後のハウス栽培のなんと1/3~1/4程度になります。

1.2 管理作業

  • ハウス栽培では、芽かき・葉かき・誘引・かん水・交配作業が必要ですが、ソバージュ栽培では、芽かきと葉かきは2段目までしか行わず、誘引は伸びた枝をテープナーやマイカ線でとめるだけ。露地栽培なので、交配はほぼ不要です。

  • 生育初期以降脇芽かきを行わないので枝数が増えていき、1株当たりの収量は従来の栽培方法の株よりも多くなります。定植株数が少なくても、単位面積当たりでは従来の栽培方法と同等の収量が見込めます。

トマトが本来もつ自然の力を利用した栽培方法であるため、フランス語で「野性的な」という意味をもつ「ソバージュ」と命名されました。

但し、灌水は状況しだいで必要となります。例)高温干ばつ時、降雨不足時など
水源が確保できる場合は、灌水設備を設置して下さい。少量の水でもムラなく灌水できる、点滴灌水チューブがおすすめです。例)T-TAPEスペシャル 508-20

1.3 低コストな設備

  • マルチ
  • U字型アーチパイプと直管パイプ、それらをつなぐ接続金具
  • キュウリ誘引用ネット
  • 側枝を誘引するためのテープナーやマイカ線

ハウス栽培のような大規模の設備投資は不要です。しかも、単位面積当たりの定植株数も少なくてすむため、種子・苗代も従来の栽培方法より少額です。


写真1 パイプ類とキュウリ誘引用ネット設置例1


写真2 パイプ類とキュウリ誘引用ネット設置例2

2. 低コストな設備での圃場準備

2.1 マルチ

  • マルチの目的は、地温の制御・土壌水分の制御(乾燥対策)・雑草の抑制・病害の抑制(泥はね防止)です。
  • 高冷地、寒冷地では生育初期の地温確保のために黒マルチを、高温に遭遇しやすい温暖地では地温の上昇を抑えるための白黒マルチ(表面が白色)と、栽培環境に応じて選択します。
  • 生分解性マルチを使用すると、後片付けの省力化につながります。

2.2 U字型アーチパイプと直管パイプ

  • U字型アーチパイプ
    収穫や防除などの管理作業は、外側だけでなく内側からも行う必要があるため、幅と高さはともに2m程度のものをお奨めします。幅が狭く高さが低いと、内側からの作業が難しくなります。
  • 直管パイプ
    U字型アーチパイプをつなぐ役割を果たす直管パイプは、U字型アーチパイプの天頂部に1本、両サイド(地上120cm程度)に1本ずつの計3本は必ず設置して下さい。
    防風や豪雨への耐久性を高めるためには、U字型アーチパイプの曲管部にさらに2本足して、直管パイプを計5本設置します。さらに、単管パイプで補強します。以下の図1と写真3をご参照下さい。

2.3 キュウリ誘引用ネット

通常のキュウリ誘引用ネットを使用します。(例:目合い18cm、幅4.2~4.8m)
なお生分解性マルチとあわせて生分解性ネットを使用すると、作終了後に土に埋め込むことができ、後片付けの省力化につながります。分解されるまでの目安は、1~2ヶ月間です。


図1 圃場準備


写真3 パイプ類の設置事例

3. 定植

  • 露地栽培ですので、霜害に要注意です。遅霜の影響がなくなる頃(5月中旬以降)に9cmポット苗を定植します。


写真4 9cmポット苗

  • 株間の目安:80cm~100cm、畝間・条間の目安:2m
  • 花の咲く向きを揃えて植えて下さい。花の咲く向き=実がなる向きですので、花の向きがバラバラだと収穫作業がしづらくなります。
  • 定植する前にポットに十分灌水してから、定植します。水源が確保できる場合は、定植前に植え穴にも灌水しておきます。

ポイント!
生育の土台となる「定植後の活着」と「生育初期の発根」が、収量を左右すると言っても過言ではありません。

*秘訣
・土づくりでの微生物資材の散布(例:微生物とその棲家
・定植前のどぶ浸け(例:PSマリンパワーアーキア酵素むげん

*ソバージュ栽培に適した品種(種子)を、PsEcoのECショップでご購入頂けます。
シシリアンルージュ
 調理用トマトの傑作。回転が早く多収品種。耐暑性、耐寒性があり、幅広い作型で栽培できる。

サンマルツァーノリゼルバ
  ソースは赤が色濃く映え、滑らかな食感で調理・加工に最適。割れにくいので、栽培しやすい。

ロッソナポリタン
 生でも美味しい、クッキングドルチェ。小葉でやや伸び、採光性がよい草姿。


写真5

4. テープナーやマイカ線でのカンタンな誘引

  • 定植直後から、風で茎が折れないようにテープナーなどで枝をキュウリ誘引用ネットにとめて誘引します。主枝が直立するようにして下さい。
  • 株元の通気性を確保するため、2段目の果房までは芽かき・葉かきを行います。


写真6 2段目までは芽かき・葉かきを行う

  • ある程度繁茂したら、枝が地面に垂れ下がらないようにするため、マイカ線などで引き上げます。但し、繁茂し過ぎると通気性が低下し→病気の発生、果実の肥大不良、食味の低下を招きます。さらに、収穫作業も大変になるので適宜整枝を行って下さい。


写真7 キュウリ誘引用ネットへの誘引


写真8 マイカ線引き上げ前


写真9 マイカ線引き上げ後

5. 肥培管理

  • 省力化を図った栽培方法ですが、「ソバージュ栽培=放任」では収量と品質が安定しません。露地栽培の場合は、特に裂果が問題となりやすいです。
  • 収量・品質アップおよび裂果を減らすためには、生育ステージに沿った肥培管理を行う必要があります。
  • 別ページ「トマト_ソバージュ栽培専用肥培管理」にてポイントや注意点を分かりやすくご紹介しています。

6. 収穫

  • 果実が色づいてきたら、いよいよ収穫開始です!
  • ピーク時には果実が一面に真っ赤に色づき、枝葉がジャングルを作ります。
  • 裂果が発生しやすい場合は、完熟よりもやや早めに収穫し裂果によるロスを軽減させます。


写真10 鈴なりの果実が真っ赤に色づいた様子

2013年大分県玖珠町での「1株当り約13kg収穫!」の事例


写真11

5月中旬に定植し7月下旬から収穫を開始して、8月中旬には収穫のピークをむかえ10月下旬まで収穫を行いました。「1株当り約13kg収穫!」ということは、雨が多い九州でも10a当り6t以上収穫できる計算になります。

2014年以降には、島根県や長野県で1株あたり15kgを達成された実例もあります。

低コスト!省力化!高い収益性をめざすソバージュ栽培は、現在明治大学農学部農学科の野菜園芸学研究室(元木悟准教授)との共同研究により各地への普及と技術研究が進んでいます!

「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるほど、トマトは栄養素豊富な野菜です。風邪予防の健康効果!美肌効果の美容効果!トマトの新しい栽培方法「ソバージュ栽培」、そして健康野菜トマト料理への挑戦を是非楽しんでください。

トマト

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