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トマト_栽培管理ポイント_生理障害

トマト

はじめに
様々な要因により正常な生育や発育が行われないことを生理障害と呼びます。温度、湿度、日照条件、土壌水分、土壌の物理性、各種肥料成分の過不足や偏りなど、多種多様な要因が複雑に関与して発生します。本記事では、トマトに発生する各種生理障害の原因と対策について、分かりやすくご紹介します!

1.上位葉の葉先の褐変・枯れ(カルシウム欠乏)

1.1 症状

上位葉(生長点に近い若い葉)の葉先が焼けたように褐色に枯れる。


写真:上位葉の葉先の褐変

1.2 発生要因

上位葉の葉先の褐変・枯れは、基本的にカルシウムとホウソの不足により発生します。土壌中にカルシウムが不足している場合よりも、以下のような要因で根からの吸収が低下したり、植物体内を移行できないために発生することが多い!

・土壌の乾燥や過湿により根張りが低下
・高温、乾燥、強日射などの環境条件
・葉面積が大きく葉の枚数が多いなど過繁茂
・チッソ過剰(特にアンモニア態チッソ)及びカリウム・マグネシウム・ナトリウムなど塩基類の過剰
・カルシウムの働きを助けるホウソの不足

1.3 対策

・土壌水分を適正に維持するため、天候や生育状況に応じて灌水量と灌水頻度を調整します。
ポイント!土壌水分が適正か判断するには、テンションメーター(土壌水分計)の活用がお勧めです。使い方はカンタンで、根域の土壌水分が一目瞭然。

・高温、乾燥、強日射を避けるために、遮光やミストを活用します。
・適正な樹勢を維持するとともに、適宜、葉かきを行って下さい。

・チッソ・カリウム・カルシウム・マグネシウム・ホウソの適正施肥を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・カルシウムを補給するために吸収効率の良いキレートカルシウム資材(例:PSカル)の葉面散布、そしてホウソを補給するためにキレート微量要素資材(例:スペシャルME-SC微量要素の宝船)の追肥または葉面散布を実施して下さい。
・発根促進資材(例:PSマリンパワーアーキア酵素むげん)の追肥または葉面散布によって根張りを強化することも必要です。
・土耕栽培の場合は、土壌中でリンサン固定されたカルシウムを有効化(キレート化)するために、有機酸資材(例:PSリンク)の継続的な追肥も重要です。

ポイント!畝立て後のクロピクフロー消毒や太陽熱消毒は、基肥として施用した有機肥料や緩効性肥料の効果発現を早めますので、窒素過剰を防ぐために基肥の窒素成分をある程度減量する必要があります。

2.中位葉の葉先の黄化・褐変(カリウム欠乏)

2.1 症状

中位葉の葉先が黄化・褐変する。
初期症状として果実の肥大(肩の部分の張り)が低下しやすい。


写真:中位葉の葉先の黄化

2.2 発生要因

中位葉の葉先の黄化・褐変は、基本的にカリウムの不足により発生します。土壌中にカリウムが十分量あったとしても、以下のような要因でカリウム不足になるケースもあります!

・着果負担が多い
・砂質土壌など土壌の保肥力が低い土壌
・低温、低地温などの環境条件
・チッソ過剰(特にアンモニア態チッソ)及びカルシウム・マグネシウム・ナトリウムなど塩基類の過剰

2.3 対策

・チッソ・カリウム・カルシウム・マグネシウムの適正施肥を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・分析結果に基づき、カリウム主体の配合肥料(例:PSアイミックスS2号PSアイミックスS4号)や単肥(例:硝酸カリ第一リン酸カリ)を適正量追肥して下さい。

3.中位葉~下位葉の葉脈間の黄化(マグネシウム欠乏)

3.1 症状

中位葉〜下位葉の葉脈間が黄化する。


写真:中位葉〜下位葉の葉脈間が黄化

3.2 発生要因

中位葉〜下位葉の葉脈間の黄化は、基本的にマグネシウムの不足により発生します。土壌中にマグネシウムが十分量あったとしても、以下のような要因でマグネシウム不足になるケースもあります!

・日照不足
・チッソ過剰(特にアンモニア態チッソ)及びカリウム・カルシウム・ナトリウムなど塩基類の過剰

3.3 対策

・チッソ・カリウム・カルシウム・マグネシウムの適正施肥を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・分析結果に基づき、マグネシウム主体の単肥(例:硫酸マグネシウム硝酸マグネシウム)を適正量追肥して下さい。

・マグネシウムを補給するために吸収効率の良いキレートマグネシウム資材(例:PSマグ)やキレート微量要素資材(例:微量要素の宝船)を葉面散布して下さい。

4.尻腐れ果・芯腐れ果

4.1 症状

尻腐れ果は、果実の先端部分(お尻部分)が褐色から黒色に変色する。
芯腐れ果は、果実の芯部が褐色から黒色に変色する。


写真:尻腐れ果

4.2 発生要因

尻腐れ果・芯腐れ果は、「1.上位葉の葉先の褐変・枯れ」と同様、基本的にカルシウムやホウソの不足により発生します。土壌中にカルシウムが不足している場合よりも、以下のような要因で根からの吸収が低下したり、植物体内を移行できないために発生することが多い!

・土壌の乾燥や過湿により根張りが低下
・高温、乾燥、強日射などの環境条件
・葉面積が大きく葉の枚数が多いなど過繁茂
・チッソ過剰(特にアンモニア態チッソ)及びカリウム・マグネシウム・ナトリウムなど塩基類の過剰
・カルシウムの働きを助けるホウソの不足

ポイント!一般的に、尻腐れ果はカルシウム欠乏症、芯腐れ果はホウソ欠乏症と言われていますが、PsEcoの長年の分析結果により、尻腐れ果・芯腐れ果どちらもカルシウムとホウソの不足が関係していることが分かってきました。

4.3 対策

・土壌水分を適正に維持するため、天候や生育状況に応じて灌水量と灌水頻度を調整します。
ポイント!土壌水分が適正か判断するには、テンションメーター(土壌水分計)の活用がお勧めです。使い方はカンタンで、根域の土壌水分が一目瞭然。

・高温、乾燥、強日射を避けるために、遮光やミストを活用します。
・適正な樹勢を維持するとともに、適宜、葉かきを行って下さい。

・チッソ・カリウム・カルシウム・マグネシウム・ホウソの適正施肥を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・カルシウムを補給するために吸収効率の良いキレートカルシウム資材(例:PSカル)の葉面散布、そしてホウソを補給するためにキレート微量要素資材(例:スペシャルME-SC微量要素の宝船)の追肥または葉面散布を実施して下さい。
・発根促進資材(例:PSマリンパワーアーキア酵素むげん)の追肥または葉面散布によって根張りを強化することも必要です。
・土耕栽培の場合は、土壌中でリンサン固定されたカルシウムを有効化(キレート化)するために、有機酸資材(例:PSリンク)の継続的な追肥も重要です。

ポイント!畝立て後のクロピクフロー消毒や太陽熱消毒は、基肥として施用した有機肥料や緩効性肥料の効果発現を早めますので、窒素過剰を防ぐために基肥の窒素成分をある程度減量する必要があります。

5.空洞果

5.1 症状

中身が空洞化した果実で、外見は角張っている。

5.2 発生要因

空洞果は、日照量や気温などの環境要因によって、果実に十分な光合成産物が転流できない場合に発生します。以下の場合、発生しやすい!

・日照不足による光合成量の低下
・高夜温により光合成産物の消耗
・日中の高温による花質の低下
トマトトーン等のホルモン剤の高濃度処理や2度がけ

5.3 対策

光合成を最大化するためには適正な肥培管理が必須です。適正な肥培管理を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・光合成産物の糖分やアミノ酸を直接的に供給するために、アミノ酸と糖入り資材(例:PSアミノシュガー)の葉面散布、アミノ酸入り有機ミネラル液肥(例:有機ミネラル液肥(例:PSパワーアミノ2号)の追肥や葉面散布。

・日照不足時は、特にリンサン・マグネシウム・微量要素の吸収が低下し、葉が徒長(葉の肉厚が薄くなり)するため、光合成が低下します。吸収の良い亜リン酸資材(例:PSダッシュMEネオ)、リンサン代謝を促進する酵素資材(例:アーキア酵素むげん)、マグネシウム入り総合微量要素資材(例:微量要素の宝船)の追肥や葉面散布により、葉肉が厚く、色艶の良い、光合成能力の高い葉を作ることがポイントになります。

・光合成を促進するためには、芽かきや葉かきにより、受光態勢を改善することも重要です。

ポイント!ホルモン剤の散布濃度も空洞果に影響します。例えば、トマトトーンは気温25℃未満の場合は100倍散布、25℃以上の場合は200倍散布が目安です。高濃度散布は空洞果を招きます。2度がけも控えましょう。また、3段開花以降は、トマトトーンジベレリン液剤を5~10ppm混ぜて処理すると空洞果を軽減できます。

6.裂果

6.1 症状

果実が放射線状に割れる。
果実が同心円状に割れる。


写真:果実が放射線状に割れる裂果。

6.2 発生要因

裂果は、急激な土壌水分や養分の吸収により果実が急激に肥大することにより発生します。以下の場合、発生しやすいです。

① 土壌水分の急激な上昇
② 高温、強日射、乾燥
(夏季の高温、強日射、乾燥により果皮が硬くなり裂果する)
③ ハウス内の多湿
(結露が発生すると果実が吸水して裂果する)

6.3 対策

① 土壌水分を適正に維持するため、天候や生育状況に応じて灌水量と灌水頻度を調整します。
点滴灌水チューブによる少量多灌水が理想的です。
ポイント!土壌水分が適正か判断するには、テンションメーター(土壌水分計)の活用がお勧めです。使い方はカンタンで、根域の土壌水分が一目瞭然。

②-1 通路灌水や遮光による湿度維持や気温低下(果実温度の低下)

②-2 樹勢が低下しがちな生育の中盤以降まで樹勢を保つことで、適度な大きさの葉を維持し、果実に直射日光が当たりにくくする。

中盤以降まで適正な樹勢を維持するためには→
・土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・生育初期の段階から根張りが良く締まった株を作ることが重要です。
発根促進資材(例:PSマリンパワーアーキア酵素むげんPSバイオギフトLIQPSコレイーネ)や栄養成長抑制のための亜リン酸カリ(例:PSダッシュMEネオ)の追肥または葉面散布

②-3保湿効果の高いトレハロース資材(例:アルバトロス)を葉面散布することによって蒸散を抑制することがカギです。

③ 換気や暖房の活用による結露の防止

7.乱形果・窓あき果

7.1 症状

乱形果は果実が円形ではなく、変形する。
窓あき果は乱形果の一種で、果皮が破れて穴あきとなる。


写真:乱形果


写真:窓あき果

7.2 発生要因

乱形果は花芽分化時期の栄養過剰により発生します。以下の場合、発生しやすい!

・樹勢が強い
・水や肥料(特にチッソ)の過剰
・低夜温

7.3 対策

・土壌水分を適正に維持するため、天候や生育状況に応じて灌水量と灌水頻度を調整します。
ポイント!土壌水分が適正か判断するには、テンションメーター(土壌水分計)の活用がお勧めです。使い方はカンタンで、根域の土壌水分が一目瞭然。

・チッソ・カリウム・カルシウム・マグネシウム・ホウソの適正施肥を行うためには→
土耕栽培の場合はPsEco土壌分析を実施し土壌中の各種養分の過不足を把握した上で最適な基肥散布を行うとともに、生育期間中は定期的にPsEco植物分析を実施し、植物体の各種養分の過不足を把握した上で最適な追肥・葉面散布を行うことが重要です。

・適正な温度管理が行う。
ポイント!育苗期も含めて、低夜温にさらさないことが重要。

"トマトの生理障害" については以上です。

トマト

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